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愛される院を作る

開業時の理想を忘れていませんか?1枚のはがきから始める感謝経営 |26年3,000院を見てきた本当の答え

この記事の結論

開業時、多くの先生が「患者様ファースト」の理想を胸に独立されました。でも、日々の経営に追われる中で、いつの間にか「売上主義」へ流されてしまうことがあります。リピートが増えず、新規を追い、広告を出し、回数券で誘導する…そんな循環に陥っていませんか。この記事では、患者様は「大切なお金を、どこで使うか」を100%自分で決める、という現実から、感謝を伝える手段としてのハガキの本当の価値をお伝えします。

こんにちは。整体院経営戦略研究所の横山です。

今日は、少しだけ、独立された当時のことを思い出していただきたいと思います。

開業時、あなたは理想に燃えていたはずです

独立して開業された時のことを、覚えていらっしゃいますか。

多くの先生が、こんな思いを持って、独立の道を選ばれたのではないでしょうか。

・「前の職場は、儲け主義すぎた」

・「患者様のことを、もっと考える院を作りたい」

・「自分が独立したら、患者様ファーストで施術する」

・「一人ひとりに丁寧に、じっくり向き合いたい」

きっと、そんな理想に燃えて、開業されたはずです。

「あの時の気持ち」、今も持ち続けていますか?

日々の経営で、少しずつ変わっていく

開業して、日々経営していくと、売上のことを考えざるを得なくなります。

家賃を払わなければいけない。スタッフに給料を渡さないといけない。生活費もかかる。設備の維持費も必要。

経営者になって初めて、「前のオーナーの気持ちも、少し分かる気がする…」と思う先生もいらっしゃるでしょう。

そして、気がつくと、「売上をどう上げるか」という自分目線の経営に変わっている。開業時に「嫌だ」と思っていた姿に、少しずつ、自分がなっている。

これ、他人事ではないと感じる先生も、多いのではないでしょうか。

なぜ、そうなってしまうのか

理由は、シンプルです。

新規で来ていただいても、なかなかリピーターが増えないからです。

悪循環に陥っていく流れ

① 新規が来ても、リピートしない

② 常に新規を追いかける経営になる

③ 広告費が増える、初回価格を下げる

④ 大手ポータルサイトに頼るようになる

⑤ 「リピートしにくいのは仕方ない」と諦める

⑥ 回数券販売で、患者様をコントロールしようとする

この流れ、心当たりはありませんか?

回数券は、悪ではない。でも…

誤解しないでください。回数券そのものは、悪ではありません。

通いたいと本気で思ってくださっている患者様にとって、回数券は「お得に通える」という大きなメリットがあります。喜んで買ってくださる方も、たくさんいらっしゃいます。

問題は、こちら側が「売上のために」誘導する場合です。

「どうすれば患者様をコントロールできるか」という発想で回数券を勧めている自分に、開業時の理想を持った自分が、気づいたら距離を置いている。

1ヶ月、2ヶ月、そして1年、2年…

こういう毎日を過ごしていると、当初の「患者様のため」「地域のため」という気持ちが、少しずつ、忘れがちになっていきます。

1ヶ月、2ヶ月。

気がついたら、1年、2年。

そのまま何年も経ってしまう先生がいるのが、3,000院を見てきた私の実感です。

「なぜリピートしないんだろう?」

結果的に、こんな悩みに行き着きます。

「毎月10人来てくれているのに、なぜリピートしないんだろう?」

「単純計算だと、毎月10人×12ヶ月で、年間120人。
これが全員リピーターになれば、常時100人以上の患者様がいるはずなのに」

「なぜ、そうならないんだろう?」

その答えは、単純な数字の計算だけでは、経営は成り立たないということです。

なぜかというと、そこには「患者様の気持ち」があるからです。

患者様は、自分のお金を「どこで使うか」を100%決める

改めて、考えてみてください。

患者様が支払ってくださるお金は、どんなお金でしょうか。

それは、患者様が一生懸命働いて、節約して、大切に貯めたお金です。100円、200円ではなく、多くの場合、1日の日給に相当するような金額を、あなたの院で使ってくださっています。

その大切なお金を、どこで使うか。それを決めるのは、患者様が100%決めます。

では、質問させてください。

「自分は、そのお金をいただく権利があるのだろうか?」

腕があるから、権利がある?施術技術が高いから、いただいて当然?

「俺のラーメンを食え」というラーメン屋に、行きたいですか?

少しだけ、想像してみてください。

ある有名なラーメン店。店主が、こんな態度だったらどうでしょうか。

「俺のラーメンを食え」の店主

・「腕には自信がある。だから食え」

・お客様への感謝は伝えない

・「文句があるなら来なくていい」

・技術には自信満々だが、態度は横柄

この店に、あなたは通いたいと思いますか?

おそらく、答えはNOでしょう。

むしろ、味は少し劣っても、フレンドリーで、あなたのことを気にかけてくれるお店に、また行きたくなるのではないでしょうか。

また行きたくなるお店

・「いつもありがとうございます」と笑顔で迎えてくれる

・「今日はお仕事どうでしたか?」と話しかけてくれる

・帰り際、丁寧にお辞儀してくれる

・自分のことを覚えていてくれる

これは、治療院も、まったく同じです。

腕があっても、感謝が伝わらなければ、患者様は他院に流れていきます。それは、患者様の当然の権利です。

感謝を、どう伝えるか

では、患者様への感謝を、どうやって伝えればいいのでしょうか。

選択肢を、いくつか考えてみましょう。

・お金をあげる? → もちろん、できません

・食事券をプレゼント? → 少し違和感がありますよね

・高価なプレゼント? → お店の姿勢としてズレます

・毎回、口頭で丁寧にお伝えする? → もちろん大切です

口頭でお伝えするのは、もちろん大切です。でも、それだけでは、忙しい患者様の記憶から、次第に薄れていってしまうかもしれません。

では、何が一番、感謝を伝えるのに適しているのか。

私の答えは、「はがき」です。

はがきが、感謝を伝えるのにベストな理由

なぜ、はがきなのか。理由をお話しします。

理由1|手書きは、相手を思って書くもの

はがきには、「相手を思う時間」が込められます。

私自身、患者様やクライアント様にはがきを書きます。正直に言うと、書くのは大変で、面倒な作業です。

でも、いざ書き始めると、その方のことを一生懸命思い出しながら書いています。「あの時、こんな話をされていたな」「体調が良くなったと喜んでくださっていたな」「お子さんが受験だったな」…

機械的に書くということは、まずありません。その人のことを、じっくり考える時間が、はがきを書く時間なのです。

理由2|受け取る側にも、大変さが伝わる

はがきを受け取った患者様は、どう感じるでしょうか。

誰もが、年賀状やはがきを書いた経験があります。だからこそ、「これを書くのって、大変だよね」ということが、本能的に分かるのです。

「わざわざ、こんな大変なことをしてくださって…」という感謝が、自然と生まれます。

これは、メールやLINEでは、絶対に生まれない感情です。

理由3|今のポストカードは、芸術作品のよう

今は、手の込んだ美しいポストカードが、たくさん販売されています。

季節の花のイラスト、優しい水彩画、心温まる言葉が添えられたデザイン…どれも、一つの芸術作品のような美しさです。

そんなポストカードを、丁寧に選んで、手書きのメッセージを添えて送る。

受け取った患者様は、「芸術作品をもらったような気持ち」で喜んでくださいます。

「採算が合うのか?」という質問への答え

ここで、こんな疑問を持つ先生もいらっしゃるでしょう。

「はがき1枚に85円の切手代。ポストカードなら、もっと高い。手書きの時間も、ばかにならない。本当に、割に合うのか?」

お気持ち、よく分かります。経営者として、費用対効果を考えるのは当然のことです。

でも、少しだけ、視点を変えてみませんか。

来てくれた患者様への感謝は、するべきこと

はがきを、「集客の道具」として考えるから、「割に合わない」という発想になります。

そうではなく、「来てくださった患者様への、当たり前の感謝」として考えてみてください。

大切なお金を、あなたの院で使ってくださった。1日の日給に相当するお金を、あなたに託してくださった。この事実に対して、感謝しないことの方が、おかしいのです。

感謝を伝えるべきだ、と考えれば、「採算」の話は、少し脇に置けるのではないでしょうか。

続けることが、力になる

そして、続けることが大切です。

再来院してくださるかどうかを決めるのは、患者様です。私たちにはコントロールできません。

だからこそ、こちらは「人事を尽くして天命を待つ」という覚悟が必要です。

できることを、精一杯やる。結果は、患者様に委ねる。この姿勢が、続けている先生の共通点です。

「時間がない」ではなく、「その時間の使い方」を考える

「はがきを書く時間がない」という声も、よく聞きます。

本当に、時間がないでしょうか?

1日のうちで、患者様が来られない時間があるはずです。予約と予約の合間の30分、午後の空き時間、閉院前のわずかな時間。

その空いている時間、あなたは何をしていますか?

よくある空き時間の使い方

・SNSを何となく見ている

・スマホでニュースを流し読み

・ぼんやりと考え事

・「今日は空いてるな」と落ち込む

その時間を、はがきを書く時間に割り当ててみませんか。

はがきを書く時間は、営業活動の時間

はがきを書く時間は、「暇つぶしの時間」ではありません。

これは、立派な営業活動の時間です。

既存の患者様との関係を深め、信頼を積み重ね、口コミや紹介につながる可能性を育てる時間。これほど、確実で温かい営業活動は、他にありません。

「空いている時間、何をしよう?」と迷ったら、迷わずはがきを書く。この習慣が、あなたの院を、確実に変えていきます。

よくあるご質問

Q. はがきに何を書いたらいいか、分かりません

A. 難しく考えないでください。「ご来院ありがとうございました」「その後、体調はいかがですか?」「季節の変わり目、お体大切に」…この程度で十分です。上手な文章を書く必要はありません。あなたの正直な気持ちを、そのまま書いてください。上手すぎる文章より、少し不器用でも心のこもった言葉の方が、患者様の心には響きます。

Q. どのくらいの頻度で送ればいいですか?

A. まずは「来院後1週間以内」に1枚。これが基本です。慣れてきたら、季節のご挨拶を年に2〜3回。あまり頻繁だと「営業感」が出てしまうので、控えめが正解です。大切なのは頻度より、1枚1枚に心を込めることです。

Q. 効果は、どのくらいで出ますか?

A. 正直に申し上げます。すぐには出ません。3ヶ月、半年、1年と続けて、じわじわと現れます。「はがきをもらった患者様が、また来てくださった」「ご家族を紹介してくださった」…そんな小さな結果が、少しずつ積み重なっていきます。3ヶ月で「効果ない」と諦めないでください。

Q. スタッフに書かせてもいいですか?

A. 一番いいのは、院長ご自身が書くことです。特に、リピーター様や紹介してくださった方には、院長が直接書くと、価値がまったく違います。ただし、忙しい場合は、スタッフと分担するのも1つの方法です。その場合も、必ずスタッフが患者様のことを思って、心を込めて書くようにしてください。「作業」になってしまっては、意味がありません。

Q. 開業時の理想を、もう一度取り戻せますか?

A. もちろんです。今この記事を読んでくださっている時点で、あなたはもう、その一歩を踏み出しています。「あの頃の気持ちを忘れていたかも」と気づけることが、何より大切です。明日、来てくださった患者様に、いつもより少しだけ丁寧に「ありがとうございました」と伝える。その日の夜、はがきを1枚だけ書く。この小さな一歩から、あなたの理想は必ず戻ってきます。

あの頃の理想を、思い出しませんか

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

今日のお話を、改めてまとめます。

✓ 開業時、あなたは「患者様ファースト」の理想を持っていた

✓ 日々の経営で、少しずつ「売上主義」に流されていく

✓ 患者様は、大切なお金を「どこで使うか」を100%決める

✓ 腕だけでは、患者様は通い続けてくれない

✓ 感謝を伝えるベストな手段は「はがき」

✓ 採算より、感謝の気持ちを優先する

✓ 空いている時間は、はがきを書く営業活動の時間

先生、開業された時のこと、思い出してください。

「患者様のために、良い施術をする院を作りたい」。そう思って、独立された日のこと。

あの頃の理想は、
今も、あなたの中にあります。

1枚のはがきから、
もう一度、思い出してみませんか。

大切なお金を託してくださった患者様に、心からの感謝を伝える。ただそれだけのことが、あなたの院を、そしてあなた自身を、もう一度、開業時の理想に近づけてくれます。

「経営は、単純な計算では成り立ちません。
そこには、患者様の気持ちがあるからです。

大切なお金を託してくださった方への感謝を、
1枚のはがきに込めてください。
それが、経営の原点です。」

— 整体院経営戦略研究所 代表 横山一彦

beewave代表 横山一彦

先生方の困ったを一緒に考える、伴走型サポーター。社歴26年。 業界専門誌「カイロタイムズ」での連載執筆も担当。治療院経営に真剣に向き合い続けています。

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