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月に新規5人来ても儲からない理由|ポータルサイト出店の注意点

この記事の結論

大手ポータルサイトで月に新規が5人来ても、儲からない院が多いのは事実です。理由は「ポータルサイト経由の新規は構造的にリピート率が低い」から。業界データでも、サロン検索サイト経由の再来率は30%前後が一般的です。月5万円の広告費を払い続けるより、自院に合った集客導線の構築が、長期的な利益につながります。

「月に新規が10人来ているのに、儲からない」「広告費の方が高くついている気がする」、そんな声を、整体院・治療院のオーナー様からよく聞きます。

実は弊社のクライアントでも、大手ポータルサイトで毎月5〜10人の新規があるのに、「もう儲からないからやめます」と相談される方が非常に多くなっています。

この記事では、なぜそうなるのか、業界データを交えながら冷静に解説します。

月5人新規が来れば、本来は儲かるはずの理屈

まず、シンプルな計算をしてみましょう。

月に新規が5人来ます。仮にその5割の人がリピーターになると仮定すると、毎月2〜3人ずつリピート患者様が増えていく計算です。

理論上の計算例

月の新規5人 × リピート率50% = 2.5人/月の積み上げ

1年継続: 2.5人 × 12ヶ月 = 累計30人のリピーター

単価5,000円 × 月1回来院 = 1人あたり月5,000円の売上

→ 30人 × 5,000円 = 月15万円のリピート売上(理論値)

リピーター様は広告費がかからないので、1人経営の整体院であれば、それなりに利益が出る計算になります。

これが「月5人新規が来れば本来儲かるはず」の理屈です。

なぜ実際には儲からないのか?業界データが示す現実

しかし、実際にはこの理論通りにはいきません。なぜなら、大手ポータルサイト経由の新規様は、リピート率が圧倒的に低いからです。

業界データを見てみましょう。

業界データ:大手ポータルサイト経由のリピート率

・美容室業界の新規リピート率(全体平均): 約28〜30%

・大手ポータルサイト経由に限ると: 10〜30%

・エステサロンの半年以内リピート率: 約20%

・リラクゼーションサロン: 業界最下位水準

※業界各社の公開データを基にしています

つまり、理論上の50%リピートは、ポータルサイト経由では現実的ではないのです。

先ほどの計算を、現実のリピート率で再計算してみましょう。

現実的な月収支(月5人新規・広告費5万円)

新規売上: 5人 × 3,000円(初回価格) = 15,000円

リピート売上: 12人(累計) × 5,000円 = 60,000円

売上合計: 月75,000円

広告費: -50,000円(掲載料・出店料・クーポン割引分)

→ 残る利益: 月25,000円程度

「月25,000円も残るならいいじゃないか」と思われるかもしれません。しかし、院長の時給で計算すると、その印象は一変します

院長の時給で見ると、もっと厳しい現実

月の施術回数を計算してみましょう。

院長の労働時間

新規施術(初回問診込み): 5人 × 1.5時間 = 7.5時間

リピート施術: 12人 × 1時間 = 12時間

月の労働時間: 約19.5時間

利益: 月25,000円

→ 時給換算: 約1,280円

院長の時給1,280円。これは、アルバイトの最低賃金とほぼ同じ水準です。

院長は単なる施術者ではなく、社長でもあります。社長としての価値、専門技術者としての価値、経営判断する責任…これらすべてを含めて、時給1,280円で働いている経営者は、本当に「経営できている」と言えるでしょうか

しかも、これは施術時間だけの計算です。実際には、予約管理・カルテ記入・院内清掃・SNS更新・経理など、施術以外の作業時間も含めると、実質時給はさらに下がります

これでは、院長の時給換算で見ると、ただ働き同然になりかねません。

「自分の客」ではなく「ポータルサイトの客を借りている」だけ

これが最も重要な視点です。

大手ポータルサイトに掲載すると、新規様は来ます。しかし、その方々は「あなたの院のファン」ではなく、「プラットフォームのユーザー」です。

「お客様は、あなたの院のファンではなく、プラットフォームのユーザーです。

『良かったけど、新しい店舗のサービスも良さそう、クーポンも魅力だから行ってみよう。』

こうした行動が、リピート率が上がらない構造的な理由になっています。」

この行動パターン、心当たりはありませんか?

お客様にとって、ポータルサイト経由の来院は「あなたの院に来た」ではなく、「ポータルサイトでお得な店を試した」という感覚です。

この心理的な距離が、リピートにつながらない最大の要因です。

「ラーメン好きの法則」で考えると分かりやすい

分かりやすい例えで説明します。

「ラーメン好き」の人を想像してください。

・新しいラーメン屋ができたら必ず食べに行く

・いろんな店を比較して評価する

・常連だった店も、新しい店の方が美味しければ乗り換える

・「行ったことのない店」を探すのが趣味

このタイプの方は、「お気に入りの1店」を作るのが目的ではなく、「いろんな店を試すこと」自体が楽しみです。

これと同じことが、大手ポータルサイトでも起きています。

「リラクゼーション好き」「整体好き」「ダイエット趣味」の方は、いろんな院を試したい性格の方が集まりやすい。だから、「ここがダメなら次に行こう」「新しい店ができたら気になる」という行動を取ります。

逆に、近所のラーメン屋に通い続ける人もいる

一方で、こんなタイプの方もいます。

・近所に愛想のいいラーメン屋がある

・夫婦でやっていて、子供のことも覚えてくれる

・そこそこ美味しくて、居心地もいい

・食べた後も幸せな気持ちになれる

・月1〜2回、家族で通う

このタイプの方は、流行や新しさを追わず、利便性・居心地・人間関係を重視する方々です。

こういった層の方々が、大手ポータルサイトに集まっているでしょうか?残念ながら、ほとんど集まっていないのが現実です。

これは性格・行動パターンの差なので、サイト自体の良し悪しの問題ではありません。そもそも集まっている層が違うのです。

院長の時給で考えると、もっと現実が見える

もう一つの視点をお伝えします。

院長は単なる施術者ではなく、社長でもあります。社長としての時給を、いくらに設定していますか?

院長1時間の価値が
3万円~5万円だとしたら、
無料に近い金額で月5人を施術するのは、
本当に「正しい経営」と言えるでしょうか?

仮にポータルサイトで初回1,500円の集客をして、1時間施術するとすれば、時給1,500円です。

そして、そのほとんどがリピートしません。「ただでマッサージしているのと同じ」と言われてしまうのは、こういう構造があるからです。

楽天市場などと同じ|ポータルサイトは「努力」次第

ここで、はっきり申し上げます。大手ポータルサイトが悪いわけではありません

考えてみてください。通販で楽天市場などに出店する場合、経営者なら次のことを必ずやります。

✓ 出店戦略を立てる(どのジャンルで、誰に売るか)

✓ 利益計画を綿密に作る

✓ ライバル店舗を徹底的に研究する

✓ 売れる商品ページを作り込む

✓ 売れるように、毎日改善し続ける

楽天市場に出すだけで売れるなんて、誰も思っていません。出店してからが本当の勝負だと、誰もが理解しています。

ところが、ポータルサイトに出すと、なぜか「出店すれば自動で集客できる」と思い込んでしまう方が多いのです。

これは、経営者として、残念ながら甘い考え方です。

ポータルサイトで成果を出すための4つの努力

ポータルサイトを使うなら、本気で取り組む。これが鉄則です。

具体的には、次の4つの努力が必要です。

1. ポータルサイトの仕組みを徹底的に研究し、戦略的に出店する

どの掲載プランが自院に合うのか、どんな検索キーワードで上位表示されるのか、写真の枚数・順番・内容はどうあるべきか。仕組みを理解した上で、戦略的に出店する。「とりあえず掲載」では、絶対に成果は出ない。

2. 同じ地域のライバル院を徹底調査し、戦略的なサービスを作る

自院の半径数キロ以内に、何院のライバルが掲載されているか。どんな価格帯か、どんなメニューが人気か、どんな写真を使っているか。ライバルを知らずに戦うのは、目隠しで戦うようなもの。徹底的に研究して、ライバルにない強みを持ったサービスを作る。

3. 口コミを地道に集め、ポータルサイトの機能を有効活用する

来院後、患者様に丁寧に口コミ投稿のお願いをする。ブログ機能・お知らせ機能などを、放置せず継続的に更新する。これらの地道な作業の積み重ねが、ポータルサイト内での評価につながる。「掲載料を払えば自動で集客される」という幻想を捨てる。

4. 来院後の患者様との関係性を深める

どんな経路で来院された患者様にも、最大限のサービスと配慮を尽くす。次回の来院につながる体験を提供する。施術後のフォロー、お礼ハガキ、丁寧な説明。これらが「もう一度来たい」という気持ちを生む。

通販サイトで売る人は、誰もが必死で努力しています。
治療院経営者だけが、努力なしで成果を期待してはいけません。

— 整体院経営戦略研究所 代表 横山一彦

出店すれば自動で売れる場所など、この世にどこにもありません。出店してからが、本当のスタートです。

この覚悟があるなら、ポータルサイトは強力な武器になります。逆に、この覚悟なしに出店すると、月5万円・10万円の広告費がただ消えていくだけです。

実際の現場で起きていること|相談事例

弊社に寄せられた実際のご相談を、プライバシーに配慮しながらご紹介します。

うまく活用されている院ももちろんありますが、こうしたご相談も非常に多いのが現状です。

📌 A院オーナー様の声

「ポータルサイトに月4万円使っていました。最初は10件ほど新規が来ていたんですが、ライバル院が増えてきて、最近は0〜2件しか来ません。それでも月5人くらいは来てくれていますが、リピートにならない…」

「やめる方向で考えています。自社の努力で集客しないと、と気持ちを切り替えました。」

この事例で重要なポイントは2つあります。

ポイント1: ライバル院が増えると、同じ広告費でも集客数が減る

ポイント2: 来てくれても、リピートにつながらない

ポータルサイト依存の経営は、ライバル増加と共に必ず厳しくなる構造になっています。

✅ 一方、自院集客に主力を切り替えた院は…

あるクライアントの院では、自院独自の集客に切り替え、Googleマップ最適化(MEO)を中心に取り組んだ結果、半年後には広告費に大きく頼らず、安定した新規集客が継続できるようになりました。

この違いを生んでいるのは、「広告費を払い続ける集客」「自院に資産が積み上がる集客」かの違いです。

ポータルサイトに支払うお金は、毎月消えていくだけです。一方、MEO・ホームページ・LINE・紹介の仕組みは、毎月積み上がる経営資産になります。

自院独自の集客方法を作ることが本質

弊社が25年間、整体院・治療院の経営を見てきて、本当に長く繁盛している院に共通するのは、「自院独自の集客導線を持っている」ということです。

具体的には、以下のような仕組みです。

・Googleマップ(MEO)で地域上位を維持

・自院ホームページでの情報発信

・既存患者様からの紹介の仕組み

・LINE公式アカウントでのフォロー

・サンクスハガキでのアフターケア

・地域での認知活動(ポスティング・看板等)

これらは派手な施策ではありません。地味で、即効性もありません。しかし、広告費に頼らず、長期的に積み上がる「資産」になります。

よくあるご質問

Q. 大手ポータルサイトは絶対に使ってはいけませんか?

A. 絶対ではありません。認知獲得や、開業直後の集客、徹底的に研究し活用することが必須になります。リピート率の構造的な低さを理解した上で、自院オリジナルの集客導線も同時に作ることが重要です。

Q. 月5人新規が来ているのに儲からないのは、私の腕が悪いからですか?

A. 腕の問題ではない可能性が高いです。業界データでも、大手ポータルサイト経由の新規リピート率は10〜30%が一般的です。技術力ではなく、「お客様の行動パターン」と「集客構造」の問題です。来院されるお客様の層自体が、流行追い型の方が多い傾向があります。

Q. ポータルサイトをやめるとさらに集客できなくなりませんか?

A. いきなり全てをやめるのは危険です。段階的に自院オリジナルの集客導線を構築しながら、徐々にポータルサイト依存度を下げていくのが現実的です。Googleマップ最適化(MEO)、自院ホームページ、LINE公式アカウントなど、複数の入口を作っていきましょう。

Q. 自院独自の集客を作るのに、どれくらいの期間が必要ですか?

A. 中長期的な視点が必要です。Googleマップ最適化(MEO)で効果が出るまで3〜6ヶ月、SEO対策は半年〜1年、紹介の仕組みは1年〜2年が一般的です。即効性はありませんが、一度仕組みが出来れば、広告費なしで安定した集客が続く「資産」になります。

Q. ポータルサイト経由でも、うまくリピートさせる方法はありますか?

A. あります。最も効果的なのは、来院されたすべての患者様との関係性を丁寧に深めること。LINE登録のご案内、サンクスハガキでのアフターフォロー、丁寧な説明と次回提案、患者様の悩みをしっかり聞くカウンセリングなど、来院後の体験価値を最大化する接客が重要です。ただし、それでも全体のリピート率は限定的になることは理解しておきましょう。

まとめ

月に新規が10人来ても儲からない理由を、改めて整理します。

理論上は、月5人の新規が5割リピートすれば、それなりの利益になるはずです。しかし、業界データでは大手ポータルサイト経由の新規リピート率は10〜30%が現実です。月5万円の広告費を払い続けても、利益がほとんど残らない構造になっています。

理由は、ポータルサイト経由の新規様は「自院のファン」ではなく「プラットフォームのユーザー」であり、「ラーメン好き」のように、いろんな店を試したい傾向の方が多いから。性格・行動パターンの問題なので、技術や接客で完全には解決できません。

大切なのは、自院独自の集客導線を作ること。Googleマップ最適化、自院ホームページ、紹介の仕組み、LINE公式アカウントなど、広告費なしで積み上がる「資産」となる集客方法を、地道に作っていく。これが長期的に最も利益を生む道です。

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beewave代表 横山一彦

先生方の困ったを一緒に考える、伴走型サポーター。社歴26年。 業界専門誌「カイロタイムズ」での連載執筆も担当。治療院経営に真剣に向き合い続けています。

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